Friday, January 28, 2011

映画「HURB & DOROTHY」



とても久しぶりに映画館に足を運びました。
年末に見たいと思ってはいたものの見れず仕舞いでしたが、
延長して上映されていると知り、急いで見に行きました。

最近では映画、ドキュメンタリー、見る量が少ないので以下に書くことは
ただの感想&メモに過ぎませんが、備忘録程度に。。

芸術作品のコレクターとは、金銭的に余裕のある人々といった印象を持ちます。
しかし、彼らの収入は決して多いものではないにも関わらず、独自の審美眼で「これ」と決めた物に
お金をつぎ込んで来ました。時には安く、時には適正価格で。
そうして集めた作品群は、世界屈指のコレクションだと注目されるようになったそうです。
彼らが注目されるのは、そしてこの映画の人気が続くのは、彼らがまるで近所や親戚にいる
おばさん、おじさんのような存在でありながら、途轍も無い情熱で、偉業を成し遂げたことに
あるのでしょう。
彼らにとっては芸術への愛情を行動に移した、
ただそれだけのことなのかもしれませんが。

印象深かったのは、テレビのインタビューアーに作品の意味を聞かれたドロシーが
言った言葉です。
うろ覚えですが、「意味は関係ない、視覚的なことが問題だから」
極めて明快です。
もちろん、アーティストの方には意図があるし、彼らもよく理解している。
しかしながら、視覚的に「いいものはいい」と言えてしまうところに彼らの凄さが
あるのだと思います。
ともすると意味に雁字搦めになってしまうことが多い世の中ではありますが、
結局、意味を追求しすぎても無駄なこともあるのだろうな、なんて考えさせられます。

そういえば、映画「マン オン ワイヤー」でも、
綱渡りをする理由を問われた曲芸師は答えていました。
意味なんてない、と。

何かに没頭するのに意味なんてないんでしょう。
でも、やっぱり、周囲にいる人間は「なんで?」と思ってしまう。
きっとその中間地点に理解というものがあるんだろうなと思います。